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岡部商店のこだわり
お身体に合った仕上げ
御洋服は身体に沿ってデザインがされていますが、一般のクリーニング店が使う自動の業務用プレス機では、微妙なラインや膨らみの再現、裏地などのシワを伸ばす事は出来ません。特に身体に合わせたオーダースーツや凝ったデザインのものをお召しになる方は気になる部分かと思います。
当店では各御洋服の縫製具合を見て、どの様な体型を想定して作られているのか、デザインがされているのか、縫製がされているのかを判断しながら部分的に順次仕上げて行きますので、業務用プレス機とは全く違った仕上がりだと感じて頂けるかと思います。
お客様がハンガーに吊るされたジャケットを見て「透明人間が着ているみたい」というお言葉を頂いたことあります。
状態によっては水洗い
ドライクリーニングできれいに汚れを落とすためには大がかりな機器が必要ですので、お預かりしたお洋服は当店が選定した専門業者にて慎重に行っております。ドライクリーニングは油脂系の汚れを落とし、衣類の収縮も起こりにくいのですが、汗などの水溶性の汚れは落ちにくい場合があります。
そこでドライクリーニングで洗い上がったお洋服は再度当店でチェックを行い、見つけたシミや汚れを手作業にて落としております。
当店での判断となりますが、面積の大きなシミや特別落としにくいシミは別として、ドライクリーニング後のシミ落としは無料にて行っております。
しかし、シミや汚れが全体的にある場合、特別な方法にて水洗いを行います。水洗いした場合、一番厄介なのは「元通りの形に戻す」ことであり、手作業にて数時間掛けなければ復元出来ません。仕上がった御洋服は水洗い前のジメジメした感じや、生地が硬くなった感じが取れてサラリとした肌触りとなります。
シミは出来る限り落とします
シミには色々な種類があり、落ちるものと落ち難いものがあります。対処すればするほど薄くはなりますが、それだけ生地を傷めることになります。また、汚れが染み込んだり、表面に付いただけでは落ちる可能性が高いのですが、生地自体が脱色してしまったり、紫外線などの経年劣化で変色してしまった場合は元の色には戻りません。当店では長年の経験で頃合いの良いところまでシミ取りを行います。「岡部で落ちなければ仕方がない」とテーラー様からお言葉を頂いております。
作業工程
工程の少ないパンツをご紹介します。スーツの場合はこの何倍もの工程をかけています。
ドライクリーニング
お預かりした御洋服のポケット内のお忘れもの、外れそうなボタン、キズ、破れなどをチェックし、壊れやすいボタンには専用の保護用の厚手アルミ箔で包んで保護を致します。
その後、当店選定の業者にてドライクリーニングを致します。
ポケット内や折り目部分の掃除・補修
ドライクリーニングが済みましたら、先ずはポケットや折り目の部分の掃除を致します。画像のようにホコリやゴミが溜まっておりますので、ブラシにてかき出します。
尚、この時点で作業に影響の出るほころびなどを見つけた場合は補修しておきます。
また、落ちていない汚れがないかをチェックして、見つけた場合はそのシミに合った方法にてシミを落とします。シミや汚れが全体的にある場合、特別な方法にて水洗いを行います。
腰裏の生地にノリをスプレー
パンツを裏返し、腰裏部分の生地が綿の場合はノリを吹き付けます。これにより、しっかりとした腰回りの履き心地と、次回クリーニングの際に汚れを落ち易くすることが出来ます。
裏返してアイロン掛け
最初は裏側からのアイロン掛けです。裏地もきれいにシワを伸ばし、縮んでいる部分は補正し、ある程度の形を作っておきます。
足の部分の仕上げ
裏返していたものを元に戻し、平面で空気を吸引する専用台にて、両足の部分を仕上げます。
腰の部分の仕上げ
足の部分以外の腰回りを仕上げます。こちらも専用の「仕上馬」と呼ばれる台にて行います。
この作業が済みましたら、再度内側の腰裏を手直し致します。
アイロン仕上げ完了
最終的にチェックをして仕上げ完了です。パンツの仕上げだけで約30〜40分ほどかかります。ジャケットはこれよりも数倍の行程があり、所要時間に約1時間。素材の難しいものや、オーバーやコート等の大きなものは更に時間が必要です。